給料が上がるとうれしい。
これは、きれいごと抜きの本音だと思います。
毎月の給料があと3万円増えたら、ちょっといいものが食べられる。欲しかったものも買える。将来への不安も、少しは軽くなるかもしれません。
では、給料が上がれば、仕事への不満はなくなるのでしょうか。
年収が100万円増えたら、今の仕事が好きになるでしょうか。
そんなことを考えてみると、給料と仕事の満足感は、なかなか単純ではありません。
給料に不満。でも、本当にお金だけの問題?
例えば、毎日一生懸命働いているのに、給料がほとんど上がらない。
自分なりに工夫して仕事をしている。難しい仕事も任されるようになった。後輩の面倒も見ている。
それなのに、給料明細を見ると、去年と大して変わっていない。
そんなとき、「もう少し給料を上げてくれてもいいじゃないか」と思うのは自然なことです。
ところが、よく考えてみると、腹が立つ理由は金額だけではないのかもしれません。
自分がやっている仕事を、会社は分かっているのだろうか。
これだけ仕事を任されているのに、自分はちゃんと評価されているのだろうか。
頑張っても何も変わらないのなら、何のために頑張っているのだろう。
給料への不満の奥には、そんな気持ちが隠れていることがあります。
もちろん、生活するためのお金は必要です。やりがいがあれば給料は安くてもいい、という話ではありません。
ただ、給料の額だけを見ていると、自分が仕事に何を求めているのか、見落としてしまうことがあります。
年収が高い人は、仕事に満足しているのか
年収が高ければ、選べるものが増えます。
住む場所も、食事も、旅行も、将来への備えも。お金があることで、人生の自由度が上がるのは確かです。
一方で、年収が高くても、毎朝会社に行くのが嫌でたまらない人もいるでしょう。
仕事が忙しくて家族と過ごす時間がない。責任ばかり重くなる。上司との関係に疲れている。自分が何のために働いているのか、分からなくなっている。
そんな状態なら、給料が高いことだけで満足できるでしょうか。
逆に、給料はそれほど高くなくても、仕事に手応えを感じている人もいます。自分の仕事が誰かの役に立っている。得意なことを生かせている。一緒に働く人との関係が楽しい。
仕事から得られるものは、お金だけではありません。
ここで考えたいのは、年収が高い方がいいか、低くてもやりがいがある方がいいか、という二者択一ではありません。
自分は、何のために働き、仕事から何を得たいのか。
その答えを持っているかどうかで、給料の受け止め方も変わってくるのではないでしょうか。
いくら稼げば、満足できるのだろう
年収500万円を目指していた人が、500万円を達成したら、次は600万円を目指すかもしれません。
600万円になれば、700万円が気になる。
もちろん、収入を増やすことを目標にするのは悪いことではありません。もっと稼ぎたいという気持ちが、仕事への意欲につながることもあります。
ただ、収入が増えても、いつまでも満足できないとしたら、少し考えてみる必要がありそうです。
自分が本当に欲しいのは、お金そのものなのか。それとも、お金が増えることで手に入る安心や自由なのか。
家族に不自由をさせたくない。好きなことにお金を使いたい。老後の心配を減らしたい。会社に依存せず、自分で選択できるようになりたい。
理由は人それぞれです。
自分が何を求めているのかが分かれば、収入を増やすために今の仕事を続けるのか、別の仕事に挑戦するのか、仕事以外の時間を大切にするのか。考えることも変わってきます。
年収という数字を追いかけることと、自分が望む生活に近づくことは、必ずしも同じではありません。
給料に不満があるなら、自分の本音を考えてみる
今の給料に不満がある人に、「考え方を変えれば満足できますよ」と言うつもりはありません。
本当に給料が低いのなら、転職して収入を上げることも大切な選択肢です。自分の経験や能力に見合う給料を求めることに、遠慮はいりません。
ただ、転職を考えるなら、今より給料が高い会社を探すだけでなく、もう一歩踏み込んで考えてみてほしいのです。
給料が上がれば、今の不満は解消するのか。
それとも、仕事内容を変えたいのか。もっと自分の力を試したいのか。家族と過ごす時間を増やしたいのか。仕事に振り回されず、自分の時間を取り戻したいのか。
ここを考えずに年収だけで転職先を選ぶと、給料は上がったけれど、生活は以前より苦しくなった、ということも起こり得ます。
反対に、自分が大切にしたいものがはっきりすれば、仕事選びの基準も変わってくるはずです。
給料は、働くうえで大切なものです。でも、給料は人生そのものではありません。
あなたは、いくら稼ぎたいですか。そして、そのお金で、どんな生活を手に入れたいですか。



