2017.08.03

今年卒業して新社会人になった新卒も9月で半年を迎える。18年卒の就活もほぼ一段し、もうすぐ19年卒の活動が始まる。一方で今年入社の先輩たちは研修も終わってようやく学生気分も抜けビジネス人と独り立ちできるかといったところ。しかし中には早くも行き詰まりを見せている先輩もいるようで。2回にわたって明暗を分けている先輩にスポットを当ててみた。

学生時代に優秀だったはずの人が会社で苦労している

「彼はいま、会社を休職中なんですよ」
 学校の先生から聞かされる話です。学生時代に成績優秀だった彼が、久しぶりに学校を訪ねてきてくれたので両手を上げて歓迎すると、どうも様子がおかしくて驚くほど元気がない。話を聞いてみると、実は、会社を少し休んでいたり、あるいは、辞めたいという相談だそうです。

描いていた仕事イメージとのギャップに悩む

 周囲から期待されて会社に入ったものの、仕事にうまく適応できず、そのギャップに悩んでしまう。仕事上の人間関係がうまくいかず、次第に会社を休みがちになり、とうとう、袋小路から抜けだせないまま退職してしまう。このような人の傾向を調べてみると、意外なことが分かりました。
 
 学生時代は勉強ができ、仲間との関係も良好でリーダーシップがあるほうだった。ある意味では恵まれた環境で学生時代を過ごしてきた人です。それが、会社に入ると一転します。いろんな地域からいろんな人が入社していて、いままでとは全く違う価値観や考え方を持った人たちと、初めて遭遇することになります。会社の上司や先輩もそうです。学生時代の「なあなあ」の人間関係、いままでの人間関係の延長では許されてきたことが、ここでは通用しません。ところが、優秀だった人はその学生時代の感覚を持ち込もうとするのです。優秀な自分を早くみんなに気づいて欲しい。早く責任ある仕事を任せて欲しい。決定的な勘違いをしているのに、勘違いをしたまま、自分で自分を袋小路に追い込んでしまうのです。

 これが、仕事でつまずく典型的なパターンです。自分は優秀だから仕事はできると考えていて、自信もあります。でも、入社後に与えられる仕事は雑用的な下働きばかり。資料のコピー取り、会議前のセッティング、取引先への届け物。「俺はこういうことをやるために会社に入ったんじゃない」、雑用仕事ばかりの毎日にいい加減ウンザリして、こう考えるようになります。

フォロワー意識の欠如

 日本の企業は大小問わずどこでも、新入社員の最初にやる仕事は先輩社員の補助で、その期間に仕事のイロハを覚えていくものです。しかしながら、学生時代に成績優秀で、常にリーダーシップを取っていた彼のようなタイプにとって、雑用は全く面白くありません。そんな手続きはショートカットして、商品企画や宣伝広報などの花形的な仕事を早くやりたいと思っているので、いま現実にやっている仕事には「なんで俺が」と思う考えが常に頭にあり、どうしても身が入りません。しぜん、彼は日常的に凡ミスを繰り返してしまいます。会議のセッティングに抜かりがあったり、準備する資料が揃っていなかったり。一度、二度ならまだしも、たびたびが続くと上司や先輩から厳しく注意を受けます。周囲からも“仕事ができないやつ”という不名誉なレッテルを貼られます。当の本人は「この会社は自分を活かしてくれない会社だ」とばかり思っているのです。次第に周囲から浮いてきます。学生時代と違い、分かり会える仲の良い仲間はもうそこにはおらず、自分の殻に閉じこもるようになってしまうのです。

優秀な人はゴロゴロいる

 こうした例は、高い自己評価や自意識の持ち主、あるいは常に優等生だった人に起こりえるようです。社会という仕組みや構造を頭では理解していても、自分なりのイメージの延長に過ぎず、優秀な人ゆえの自己中心さで、相手は自分のことを理解してくれるだろうと思っているのです。そして、もてはやされ成長した彼は、現実を思い知っても、それを直視できないのです。会社に入ってみると、優秀だと思っていた自分と同じような人間が周りにたくさんいるということ。自分以上の人間もいるということ。つまり、自分は普通の新人のひとりに過ぎなかったということに気付いて自分の立ち位置を理解して軌道修正することが必要です。

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